WBGT値の管理・対策が義務化へ。工場が暑くなる理由・具体的な熱中症対策を紹介
2026年3月26日

2025年6月から、厚生労働省の方針により、WBGT値(暑さ指数)の管理・対策が義務化されました。WBGTとは、気温・湿度・輻射熱を総合的に評価する暑さの指標です。
環境省の「熱中症予防情報サイト」では、WBGTに基づくレベル分けが記載されています。記載内容によると、厳重警戒(WBGT28℃以上31℃未満)の場合、「外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する」と定められています。
このような背景から、工場では今後、従来の温度計による管理だけでなく、WBGT値を測定しながら暑さ対策を行う必要があります。本記事では、WBGT値の管理・対策義務の概要とともに、工場で実施すべき熱中症対策について紹介します。
WBGT値の管理・対策の義務化とは
2025年6月から、厚生労働省の方針により、WBGT値(暑さ指数)の管理と対策が義務化されました。WBGTとは「湿球黒球温度」のことであり、気温・湿度・輻射熱を総合的に評価する暑さの指標です。
測定には、湿球温度計・黒球温度計・乾球温度計を組み合わせた専用機器を使用します。WBGTを測定することで、単なる気温だけでは把握できない「人体にどの程度の熱負荷がかかっているか」について、より正確に把握できます。
参考記事:暑さ指数(WBGT)について(環境省)
工場で熱中症対策が求められる理由

工場の温度上昇は、建物の構造・機械の稼働によって発生する熱など、複数の要因が重なって起こります。室内が高温になると、作業員が熱中症を発症する危険性が高まるため、適切な対策が欠かせません。ここでは、工場で熱中症対策が求められる理由について解説します。
熱がこもりやすい
工場は、窓が少ない構造であることが多く、熱がこもりやすいため室温が上昇します。とくに、換気扇や空調設備の配置が適切でない場合、外部から入り込んだ熱が室内に滞留し、せっかく遮熱対策を施しても十分な効果が得られないことがあります。
また、工場によっては搬入・搬出口を常時開放する必要があり、エアコンの設置や運用そのものが難しいケースも少なくありません。
工場内の環境は、窓や出入口の数・配置によって、熱の流れ方や熱だまりの発生状況が大きく変わります。熱中症対策を行う際には、まず建物の構造を正確に把握した上で、最適な対策を検討することが大切です。
輻射熱の影響を受ける

工場は、一般的に金属製の折板屋根(※凹凸状の形状をした屋根材)を使用しており、夏は太陽光による輻射熱の影響を強く受けて高温になります。輻射熱とは、遠赤外線によって伝わる熱のことです。
輻射熱は、人体の体感温度を上昇させる作用があり、夏の暑さ・熱中症を発症する要因のひとつです。屋根が熱を蓄えると、その熱が室内へと伝わり、室温が上昇します。室内が高温になると、作業環境が悪化し、そこで働く作業員の熱中症リスクが高まる恐れがあります。
機械からの放熱
工場では、大型機械や生産設備の稼働によって、多くの輻射熱が発生します。とくにモーター、乾燥炉、プレス機などは稼働時に強い熱を放出し、屋内の温度上昇を招きます。さらに、窓が少ない工場や密閉性の高い空間の場合、放出された熱がこもりやすく、冷房を使用しても十分に温度が下がらないことがあります。
このような環境ではWBGT値が上昇し、熱中症のリスクが高まるため、適切な遮熱対策が不可欠です。
工場で実施すべき熱中症対策を紹介
工場内のWBGT値を低減するためには、どのような施策が求められるのでしょうか。ここでは、WBGT値の低減に役立つ具体的な熱中症対策について紹介します。
スポットクーラーを設置する
室内にエアコンを設置できない場合には、スポットクーラーの導入が有効です。スポットクーラーとは、室内の暖気を本体内部で冷却し、冷えた空気を室内へ送り返す一方で、排熱(温風)を屋外へ排出する仕組みをした空調機器のことです。
エアコンと同じ「ヒートポンプ式(※空気中の熱エネルギーを移動させて冷暖房に利用する技術)」で空気を冷却するため、運転と同時に湿度が低下する作用も見込めます。
工場にスポットクーラーを設置することで、WBGT値の上昇を抑え、熱中症の発生リスクを軽減する効果が期待できます。
シーリングファンを設置する
空気の循環が悪い工場には、空気の循環を促す「シーリングファン」を設置する方法が最適です。
シーリングファンとは、天井に取り付けて空気を循環させるタイプの送風機です。高い位置にファンを設置することで、室内の温度ムラを抑え、空間全体の温度を均一に保ちます。その他にも、ファンの設置によって冷暖房の効率も向上するため、省エネ効果も期待できます。
遮熱シートを屋根に施工する

屋根に遮熱シートを施工することで、日射によって発生する輻射熱を反射し、夏場の屋内温度上昇を抑えることが可能です。遮熱シートとは、輻射熱を反射する金属製のアルミシートのことであり、工場の折板屋根には、弊社で施工可能な「スカイ工法」が適しています。
スカイ工法は、輻射熱の反射性能に優れたアルミ箔を使用したスカイシートを屋根に直接取り付ける施工方法です。シートを均一に貼り付けられるため、作業者の技術差に左右されず、安定した遮熱効果を発揮します。
関連記事:スカイ工法
遮熱シートを機械に施工する
工場では、機械から発生する輻射熱の影響によって室温が上昇します。機械の熱対策には、弊社で施工が可能な「フィット工法」がおすすめです。
フィット工法とは、遮熱シートをテント状に縫製し、機械全体を包み込むように設置する施工方法を指します。遮熱シートは裁縫によって大きなサイズにも対応できるため、大型の乾燥炉などにも施工が可能です。フィット工法を機械に導入することで、機械から放射される輻射熱を大幅に抑え、WBGT値の低減に寄与する効果が期待できます。
関連記事:フィット工法
熱中症対策にサーモバリアがおすすめの理由
弊社の遮熱シート「サーモバリア」は、優れた遮熱性能を備えており、WBGT値の低減に高い効果を発揮します。本項目では、サーモバリアがWBGT値の改善に有効である理由を、具体的に紹介します。
熱反射性能が高い
遮熱シートは、アルミ純度が高いものほど、熱の反射性能が向上します。弊社で施工が可能な「サーモバリア」は、アルミ純度99%の高純度アルミ箔を使用しているため、輻射熱の反射性能に優れています。
JIS規格(A1420)に基づく熱実験データを精査した結果、サーモバリアは厚さ70mmのグラスウールに匹敵する断熱性能を有していることが確認されています。工場の屋根・機械にサーモバリアを施工することで、輻射熱の影響を大幅に抑える働きによって、夏の暑さを防ぎます。
正しい施工が可能
いくら遮熱性能の高いシートを施工しても、正しい方法で施工しなければ十分な効果は得られません。弊社はサーモバリア施工に特化した専門店であり、一般的な内装・外装工事業者とは異なり、遮熱施工を主軸としているため、豊富な知識とサーモバリアに特化した施工技術を有しています。
これまでの豊富な実績と専門的なノウハウをもとに、現場の状況・用途に応じて、最適な施工方法を提案することが可能です。
遮熱体感が利用できる
WBGT値の低減対策を検討する際、「どれくらい効果があるのか」が気になる方もいることでしょう。弊社では、遮熱対策の効果を事前に確認したい方向けに「遮熱体感」サービスを提供しています。
遮熱体感では、遮熱材「サーモバリア」の片面に輻射熱を照射し、施工前後の温度差をシミュレーション形式で体験できます。温度変化の測定には、温度分布を画像として可視化できるサーモグラフィーを使用しており、遮熱効果を視覚的に確認できます。
さらに弊社では、Sドローンに搭載したサーマルカメラを活用し、施工前後の温度状況を把握した上で、最適な施工プランを提案することも可能です。
まとめ
夏の暑い時期には、WBGTの情報をリアルタイムで確認し、必要に応じて適切な対策を講じることが欠かせません。
暑さ対策には「スポットクーラーなどの設備導入」も有効ですが、より高い効果を得るためには、輻射熱の影響を受けやすい屋根・機械に遮熱シートを施工する方法がおすすめです。熱を発生する箇所に直接対策を施すことで、夏場の暑さ対策として大きな効果を発揮します。
「より高い遮熱効果を求めている」という事業主さまは、ぜひお気軽に弊社のお問い合わせフォームよりご相談ください。