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工場・倉庫で求められる「熱中症対策の義務化」とは?求められる背景・対策・企業事例を紹介

2026年6月1日

近年、地球温暖化の影響により、夏場の作業環境は年々過酷さを増しています。こうした状況を受け、2025年6月1日には改正労働安全衛生規則が施行され、職場における熱中症対策が事業者の義務として明確化されました。

そのため、条件に該当する工場では、従来の業務改善に加えて、法令に基づく熱中症対策を適切に講じることが求められています。本記事では、法改正によって企業に課される具体的な義務内容と、実際に行われている熱中症対策の取り組み事例について紹介します。

工場・倉庫における熱中症対策の義務化とは?

熱中症対策の義務化とは、熱中症の重篤化を防止するために定められた制度のことです。厚生労働省の調査によると、令和6年度の労働災害による休業4日以上の死傷者数は 135,718人(前年比347人増) と4年連続で増加しています。

こうした状況を踏まえ、2025年6月1日に労働安全衛生規則が改正され、「暑さ指数(WBGT値)が28以上」または「気温が31℃以上」 の環境で作業を行う場合、事業者による熱中症対策が法的義務として明確化されました。これまでは「できる範囲で取り組む」という努力義務でしたが、改正後は「必ず実施しなければならない」法的義務へと強化され、違反した場合には6ヶ月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が適用されます。

とくに工場・倉庫は、建物構造の特性から熱がこもりやすく、熱中症が発生しやすい環境なので、状況に応じて適切な対策を講じることが大切です。

参考記事:令和6年の労働災害発生状況を公表(厚生労働省)

工場・倉庫に熱中症対策が求められる背景

工場は、窓が少なく風通しが悪い構造であるため、熱がこもりやすい環境のひとつ。室内に熱がこもると、そこで働く作業員が熱中症になるリスクが高くなるので、対策が欠かせません。ここでは、工場・倉庫に熱中症対策が求められる背景について紹介します。

輻射熱の影響を受けるため

工場や倉庫では、凹凸状の形状をした「折板屋根」が採用されるケースが多いです。折板屋根は、一般的に「ガルバリウム鋼板」などの金属素材が使用されています。金属は熱を伝えやすいという特性があるため、日射による輻射熱を受けると屋根表面の温度が上昇します。蓄えられた熱が、室内側へ伝わることで、室内の温度が上昇します。

その他にも、多くの工場では、製造過程で必要な生産設備・機械を設置しています。生産設備や機械は、輻射熱を発生させるため、屋根からの熱と相まって室内が暑くなります。

搬入口・出入口からの冷気流出

搬入・搬出作業が多い現場の場合、出入口の開閉が頻繁に行われることで冷暖房の効きが低下します。たとえば、夏場に搬出入が多い場合、冷房で冷やした空気が外へ逃げ、逆に外気の熱が室内へ流れ込むため、室温が上昇します。

一方、冬は室内の暖気が外へ逃げてしまうため、暖房を使用してもなかなか室温が上がらないという問題が生じます。工場内の空調効率を高めるには、作業エリアを区切るための「ビニールカーテン」や間仕切りを設置し、冷気・暖気が逃げにくい環境をつくる方法が効果的です。また、出入口の扉を必要以上に開閉しないなど、外気の流入を抑える運用面での工夫も重要と言えるでしょう。

工場・倉庫で対策が可能な熱中症対策

工場や倉庫に熱対策を講じることで、そこで働く作業員の熱中症リスクを大幅に軽減できます。ここでは、現場で実践しやすく、効果の高い熱中症対策を紹介します。

休憩所を設置する

熱中症の疑いがある場合は、エアコンが効いた室内などの涼しい場所へ移動し、体を休ませることが大切です。その他にも、従業員の熱中症を防ぐためには、こうした環境を確保できる休憩所を設けることも有効な対策のひとつ。

連続した暑熱環境から一時的に離れることで、心身の疲労回復や体内の熱放散が促され、熱中症リスクを大幅に軽減できます。休憩所には、作業者のいる範囲を局所的に冷やすスポットクーラーを設置する方法も効果的です。

参考資料:熱中症予防対策の好事例(厚生労働省)

遮熱シートを屋根に施工する

工場・倉庫の折板屋根への熱対策には、遮熱シートの施工が最適です。遮熱シートとは、輻射熱を反射する金属製アルミシートのことです。屋根に施工することで、暑さの原因となる輻射熱の影響を抑え、室温の上昇を防止します。折板屋根に遮熱シートを導入する場合は、弊社で施工が可能な「スカイ工法」がおすすめです。

スカイ工法は、輻射熱の反射性能に優れたスカイシートを屋根に直接貼り付ける工法のことです。シート状のため、雨漏りの原因となる「接合部」「穴あき」「錆び」を覆う働きによって、雨漏り対策にも役立ちます。

参考記事:スカイ工法

遮熱シートを機械に施工する

遮熱シートを機械や生産設備に施工することで、そこから発生する輻射熱を抑え、室温の上昇を防ぐことが可能です。機械への遮熱対策には、弊社で施工が可能な「フィット工法」が有効です。

ィット工法とは、遮熱シートをテント状に加工し、機械全体を覆うように設置する施工方法のことです。使用する遮熱シートは、ガラスクロス繊維に特殊樹脂シートを組み合わせ、両面にアルミ箔を施した高耐熱仕様で、高温環境でも性能を発揮できる点が特徴です。遮熱シートは、裁縫によってつなぎ合わせることができるため、乾燥炉などの大型機械にも柔軟に対応できます。

参考記事:フィット工法

主な企業事例

熱中症対策の義務化が進む中、対策を導入する企業も年々増えています。本項目では、小規模事業所や現場でも比較的容易に取り組める、実際の活用事例を紹介します。

狭小現場にパラソルとスポットクーラーを設置(鉄建建設株式会社)

建設業の鉄建建設株式会社では、日照と輻射熱が避けられない・休憩所が設定できないといった課題を抱えていました。

そこで、狭小な現場で働く外注先警備員への配慮として、パラソルとスポットクーラーをレンタルし、組み合わせて「熱中症対策」を実施しています。パラソルとスポットクーラーを設置するだけで運用できるため、現場近くにすぐ設置できる手軽さも大きなメリットです。

参考記事:企業別取組内容(令和2年度)(厚生労働省)

作業車を使った休憩所の配備(株式会社セシム)

警備業を営む株式会社セシムでは、元請企業との休憩場所の共同使用に加え、駐車スペースが確保できる現場では自社車両を配車し、休憩所として活用しています。

作業車内にはサンシェードを取り付けて断熱効果を高めつつ、車内をクーラーで冷やし、さらに冷凍のスポーツドリンクや熱中症対策用の塩分補給飴を常備しているとのことです。このように休憩所を整備することで、作業員の熱中症リスク軽減に大きく貢献しています。

参考記事:企業別取組内容(令和2年度)(厚生労働省)

遮熱シートを屋根に施工(パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社)

長野県松本市のパナソニック オートモーティブシステムズ株式会社 松本工場様では、省エネ・CO2削減の取り組みとしてサーモバリア・スカイ工法を採用いただきました。

施工後は暑さ対策にも効果が現れ、現場で働く方からは、施工直後から未施工箇所と比べて「明らかな涼しさ」を実感したとの声が寄せられています。

実際の数値でも、効果が確認されています。施工前年の夏場は、空調を18℃に設定しても工場内温度は約26℃でしたが、施工翌年には22℃まで低下し、遮熱効果の高さが明確に示されました。

関連記事:スカイ工法の施工直後から、効果を実感。 夏季だけでなく、冬場にも有効

工場の熱中症対策に、サーモバリアがおすすめの理由

弊社で施工が可能な遮熱シート「サーモバリア」は、工場・倉庫の熱中症対策に有効です。ここでは、熱中症対策にサーモバリアが適している理由について紹介します。

遮熱性能が高い

遮熱シートは、アルミの純度が高いものほど、輻射熱の反射性能が向上します。弊社の遮熱シート「サーモバリア」は、アルミ純度99%の高純度アルミ箔を採用しており、輻射熱に対して非常に高い遮熱効果を発揮します。

また、JIS規格(A1420)に基づく熱実験データの検証では、サーモバリアが厚さ70mmのグラスウールに匹敵する断熱性能を有することが確認されています。さらに、サーモバリアは室内側の熱を反射する特性も備えているため、冬は室内の暖気が外へ逃げるのを抑え、寒い時期でも暖かく過ごせます。

正しい施工が可能

遮熱シートは、隙間やズレが生じるなど正しく施工されていない場合、十分な効果を発揮できません。弊社は一般的な内装・外装工事業者とは異なり、遮熱シートの施工を専門業務としており、豊富な知識と高度な技術を備えた技術者が多数在籍しています。

建物の状況に合わせて最適な施工方法を提案できるため、遮熱シートの性能を最大限に引き出す施工が可能です。

効果を事前にシミュレーションできる

2025年6月から、厚生労働省の方針によりWBGT値(暑さ指数)の管理と対策が義務化されました。WBGTとは「湿球黒球温度」のことで、気温・湿度・輻射熱を総合的に評価する暑さの指標です。

WBGT値の低減対策を検討する際には、「どれくらい効果があるのか」を事前に知りたいと考える方も多いでしょう。

弊社では、遮熱対策の効果を事前に確認したい方向けに、「遮熱体感」サービスを提供しています。遮熱体感では、遮熱材「サーモバリア」の片面に輻射熱を照射し、施工前後の温度差をシミュレーション形式で体験することが可能です。温度変化の測定には、温度分布を画像として可視化できるサーモグラフィーを使用しており、遮熱効果を視覚的に確認できます。

まとめ

熱中症対策の義務化にともない、厚生労働省が示す条件に該当する事業主は、状況にあわせて適切な熱対策を講じる必要があります。

熱中症対策を実施する際には、現場の状況に合わせて確かな効果が得られる方法を選ぶことも大切です。たとえば、機械からの輻射熱が主な原因で室温が上昇している場合はフィット工法、屋根が大きく日射の影響を受けやすい工場であればスカイ工法が最適です。

「工場・倉庫の暑さ対策をしたいけど、何をすればいいかわからない」という場合であれば、シミュレーションサービスを実施している業者に施工を依頼すると安心です。弊社では、遮熱体感サービスに加え、Sドローンに搭載したサーマルカメラを活用し、施工前後の温度状況を空撮で可視化したうえで最適な施工プランを提案することも可能です。

工場・倉庫の熱中症対策をご検討中の事業主様は、ぜひお気軽にお問い合わせフォームよりご相談ください。

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