排出量取引制度とは?制度の内容、取り組むメリット・工場で実施が可能な対策について紹介
2025年12月29日

2050年のカーボンニュートラル実現に向け、国は温室効果ガスの削減を加速させるため、2026年から「排出量取引制度」を本格的に導入することを発表しました。
排出量取引制度は、年間CO2排出量が10万トン以上の企業を対象としており、排出量の多い製造業も対応が求められることが予想されます。では、その条件に該当する企業は、今後どのような対策を実施すればよいのでしょうか。
本記事では、排出量取引制度の意義を踏まえつつ、制度の仕組みや導入によるメリット、さらに工場で取り組むことができる具体的な対策について詳しく解説します。
参考記事:カーボンニュートラルとは(環境省)
参考資料:国内排出量取引制度について(環境省)
排出量取引制度とは
排出量取引制度とは、温室効果ガスの削減を目的に、国や企業の排出量を「クレジット」として取引できるようにする仕組みのことです。
同制度では、企業ごとにCO2排出量の上限(排出枠)が設定されます。各社はその枠を超える、または余らせた場合、他社との間で排出枠を売買することが可能になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 排出量取引制度(Emissions Trading System) |
| 目的 | 温室効果ガス(主にCO₂)の排出削減を市場メカニズムで促進 |
| 基本の仕組み | 排出量の上限(キャップ)を設定し、余剰・不足分を企業間で売買 |
| 対象主体 | 一定規模以上のCO₂排出企業(日本では主に大企業) |
| 対象排出量 | 主にエネルギー起源CO₂(電力・燃料使用) |
| 排出枠 | 国が無償・有償で割当/オークション方式もあり |
| 取引内容 | 余った排出枠を売却、不足分は購入 |
| インセンティブ | 排出削減=コスト削減・収益化が可能 |
| 罰則 | 排出枠不足の場合、罰金や追加削減義務 |
| 日本の動き | GX-ETSとして2026年頃から本格化予定 |
制度の対象となるのは年間でCO2を10万トン以上排出する企業であり、主に製鉄・石油・自動車・化学などの大手企業を中心に、約300~400社が参加する見込みです。
参考記事:「排出量取引制度」って何?脱炭素の切り札をQ&Aで 基礎から学ぶ(経済産業省)
参考資料:GX実現に資する排出量取引制度の検討の方向性(内閣官房GX実行推進室)
排出量取引制度のメリット
排出量取引制度の導入によって、企業はどのようなメリットを得られるのでしょうか。まずは、排出量取引制度のメリットについて具体的に紹介します。
経済的なインセンティブを得られる
排出量取引制度の最大のメリットは、排出権市場が形成され、企業が経済的なインセンティブを得られる点にあります。排出枠を超過した場合には市場から排出枠を購入する必要がありますが、逆に排出量を削減して余剰枠を生み出した場合には、その余剰分を売却して収益を得ることが可能です。
とくにCO2排出量の大幅な削減に成功した企業の場合、排出枠の販売によって得た資金を新たな環境保護の取り組みに充てたり、持続可能な技術・事業への投資に活用できます。
参考資料:カーボンプライシングについて(排出量取引制度)(環境省)
省エネ効果を得られる

CO2の排出は、火力発電によって生み出された電力を使用する際にも発生します。火力発電とは、燃料の投入量を調整することで出力をコントロールできる電源のことです。
排出量取引制度の導入によって、企業は積極的にCO2排出の抑制に向けて取り組みを実施するようになり、その結果としてCO2排出量を大幅に削減できます。さらに、こうした取り組みによって光熱費を削減できるようになり、間接的に省エネ効果も期待できます。
参考記事:再生可能エネルギー拡大に欠かせないのは「火力発電」⁉(資源エネルギー庁)
脱炭素に貢献できる
排出量取引制度の導入により、CO2排出量が集中する企業に向けて「CO2排出量を防ぐ取り組み」を促すことが可能となり、社会全体の脱炭素化を効果的に加速させることが可能です。
排出量取引制度では、各企業に排出量の上限といった「達成すべき目標」が明確に設定されるため、企業はその目標に沿って具体的な削減計画を策定しやすくなります。この制度により、企業は積極的にCO2排出量の抑制に取り組むことが期待されます。その結果、社会全体の脱炭素化に大きく貢献することが見込まれます。
参考記事:「排出量取引制度」って何?脱炭素の切り札をQ&Aで 基礎から学ぶ(経済産業省)
排出量取引制度への具体的な取り組み
排出量取引制度に取り組む際には、CO2排出を抑制するための具体的な対策を講じることが不可欠です。ここでは、排出量取引制度に関連する具体的な取り組みについて紹介します。
太陽光発電を設置する
太陽光発電とは、太陽光を電力へと変換する設備のことです。パネル部分は主にシリコンなどの半導体素材で構成されており、太陽光が当たることで日射の強さに応じて光エネルギーを電気エネルギーへと変換します。
太陽光発電は、CO2などの温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーを活用できる設備の一種であり、導入によって排出量の削減に貢献することが可能です。
参考資料:自家消費型太陽光発電設備の導入(環境省)
ビニールカーテンを設置する
工場は天井が高く、面積も広いため、空調効率が低下します。工場内にビニールカーテンを設置することで、冷気や熱の移動を抑え、空調効率を高めることが可能です。その結果、無駄な電力消費を防ぎ、CO2排出削減にもつながります。
ビニールカーテンとは、柔軟性に優れた軟質塩化ビニール(PVC)を原料としたカーテンを指します。ビニールカーテンは、指定された空間の空調効率を高める効果が期待できるため、製品を保管する倉庫や冷蔵・冷凍室の扉付近に設置する方法もおすすめです。
屋根に遮熱シートを施工する

屋根に遮熱シートを施工することで、室内の空調効率を向上させ、光熱費を削減できます。この働きによって、省エネルギー効果が期待でき、CO2排出量の抑制にも寄与します。
遮熱シートとは、輻射熱を反射する特性を持つ金属製アルミシートのことです。工場の折板屋根には、弊社が提供する「スカイ工法」の導入を推奨します。スカイ工法とは、輻射熱の反射性能に優れたスカイシートを屋根に直接貼り付ける施工方法のことです。スカイ工法は、夏の厚さ対策にも高い効果を発揮しますが、一度の施工で「雨漏り」を防ぐ効果も期待できます。
参考記事:スカイ工法
機械に遮熱シートを施工する
機械に遮熱シートを施工することで、輻射熱の影響を抑え、室温の上昇を防ぐ効果が期待できます。さらに、エネルギー効率の向上により電力消費を抑制でき、間接的に省エネ・CO2削減にも貢献します。
機械への遮熱対策としては、弊社が提供する「フィット工法」の導入を推奨します。フィット工法とは、遮熱シートをテント状に裁縫・接合し、機械全体を覆うように設置する施工方法です。この工法により、乾燥炉などの大型機械にも柔軟に対応することが可能です。
参考記事:フィット工法
CO2削減対策に、サーモバリアが推奨される理由

遮熱対策に高い効果を発揮するサーモバリアは、建物(屋根・壁など)や機械への施工によって優れた効果を発揮します。本項目では、サーモバリアがCO2削減対策に有効である理由について紹介します。
熱の反射性能に優れている
遮熱シートは、アルミの純度が高いものほど遮熱性能が向上します。弊社が取り扱う「サーモバリア」は、アルミ純度99%の高純度アルミ箔を採用しており、優れた遮熱効果を発揮します。
JIS規格(A1420)に基づく熱実験データの検証により、サーモバリアは厚さ70mmのグラスウールに匹敵する断熱性能を有することが確認されています。
さらに、サーモバリアは薄型で施工性にも優れているため、屋根・壁・床などに一枚挟むだけで室内外の熱移動を効果的に抑制することが可能です。この働きによって、空調効率の向上を促し、結果としてCO2排出量の大幅な削減に貢献します。
カーボンニュートラルを推奨している

遮熱シートは省エネ効果が期待できる素材であるため、社内の節電対策を推進する企業様はもちろん、カーボンニュートラルへの取り組みを重視される企業様にとっても有効です。
カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを指します。政府は2020年10月に、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」の実現を目指すことを宣言しました。
弊社が提供する「サーモバリア」を導入いただくことで、空調効率の向上により光熱費削減とCO2排出抑制を実現できます。これにより、間接的にカーボンニュートラルへの取り組みを推進する効果が期待できます。
参考記事:カーボンニュートラルとは(環境省)
事前に効果を把握できる
CO2削減対策を導入する際に「どの程度の効果が期待できるのか?」は、多くの企業様にとって重要な検討ポイントです。
そこで弊社では、サーモバリアの施工をご検討いただいている事業者様向けに、遮熱効果を事前に体感できる「遮熱体感サービス」を提供しています。
遮熱体感サービスでは、サーモバリアの片面に輻射熱を照射し、施工前後の温度差をシミュレーションで確認できます。温度変化の測定には、温度分布を画像として可視化できる「サーモグラフィー」を使用するため、遮熱シートの効果を視覚的に把握できます。
その他にも、お客様のご希望に応じて、Sドローンに搭載された「サーマルカメラ」を活用し、建物全体の温度分布を空撮することで、広範囲にわたる遮熱効果を確認することも可能です。
まとめ
排出量取引制度の導入により、CO2排出量を削減して余剰枠を生み出すことで、その余剰分を売却し、収益を得ることが可能です。CO2削減対策としては太陽光発電の導入なども有効ですが、コストを抑えつつ高い効果を目指す方法として、建物全体の空調効率を向上させる「遮熱シート」の導入も有力な選択肢と言えるでしょう。
弊社が施工を行う「サーモバリア」は、カーボンニュートラルの実現に貢献できる素材のため、脱炭素化への取り組みを積極的に推進している企業様にもおすすめです。さらに、弊社では見積もり作成から施工管理、報告、アフターフォローまで一貫して対応できる体制を整えているため、施工後も安心です。
CO2削減対策、カーボンニュートラルへの取り組みについて検討中の事業者様は、ぜひお問い合わせフォームよりご相談ください。
